VK 30.01 (P)という戦車

T ier6戦場はWoTというゲームの具現化であるように感じる。初心者、中級者、上級者、どのプレイヤー層も幅広く集まり、時にカオスな、時に退屈な戦況を呈する。そのようなTier6において、中戦車という存在は戦場の花である。10榴が跳梁跋扈するTier5戦場から、火力・貫通力・精度ともにどの国の戦車も一気にインフレし、重戦車にも負けない戦場の主戦力として走り回っている。機動力に優れたイギリスのCromwell、バランス型であるソ連のT-34-85、アメリカのM4A3E8、分間ダメージに優れる日本のChi-To等々。そのような中で、ドイツの中戦車ルートから重戦車ルートへの分岐点となるVK 30.01 (P)は、少々異色の存在である。

 

 VK 30.01 (P)は、ドイツのTier6中戦車であり、Pz.kpfw.IV Ausf.HからTiger(P)への道の中間に当たる存在で、性能もそれにふさわしいものとなって

いる。Tier6中戦車中最低の耐久値と隠蔽率、重戦車のような重い機動性等、少々癖の強い戦車である。だが自分がこの戦車が妙に好きなのはそれが

理由だからではない。搭載砲である8.8cm KwK 36 L/56にある。この砲は貫通力こそ同格の中でも平均的だが、単発火力が220と、同格最高値であり

アメリカ重戦車であるM6の90mm Gun M3にも匹敵する数値である。この砲を多少重くはあるがまずまずの機動力と、中戦車という柔軟な立場で振

り回せることに本車の最大の魅力がある。この車両に乗らなければ、中戦車であることがこれほどまでに素晴らしい事だと気づくことはなかっただ

ろう。軽戦車のような機動力のCromwellとはまた違った「中戦車としての」魅力がある。この戦車は間違いなく「中戦車」なのである。

 

 優秀な8.8cm砲と、中戦車として十分な機動力と装甲。これらを兼ねそろえたVK 30.01 (P)は間違いなく優秀な中戦車であり、Tiger(P)への踏み台

とするには大変惜しい性能とポテンシャルを秘めている。かくいう自分も、この車両に乗っているその時は本車の魅力に十分気が付けておらず、M

バッジ取得もそこそこにTiger(P)へと進んでしまった。Tiger(P)でVK 45.02 (A)の開発が終了したら、また乗りなおしてみようと強く思う次第である。